不用品回収は自治体と回収業者、どちらに依頼する?申し込み方法と注意すべき点
引っ越しや大掃除をするたびに、大量に発生するゴミの山。多くの人が頭を悩ますのが粗大ゴミの処分ではないでしょうか。家具や寝具、カーペットや家電製品など、処分したいモノが必ず出てきますよね。
家庭から出た廃棄物を処分するには、自治体のサービスを利用するか、不用品回収業者に依頼する、主に2つの方法があります。
その前に、不用品の正しい意味を知っていますか?
「不用品」と「不要品」、2つの違いとは?
「不用品」とは、壊れて使えなくなったモノや使い古して機能しなくなったモノのこと。これに対し、使わなくなった要らないモノを「不要品」といいます。
寄付をしたりリサイクルショップやフリ―マーケット(フリマアプリ)で売れるモノは「不要品」、廃棄処分するしか方法がないジャンクを「不用品」と考えると分かりやすいかもしれません。目的によって処分の仕方が異なることを覚えておきましょう。
ここでは、初めて「不用品」を処分する人に向けて、自治体と不用品回収業者の申し込み方、トラブルや注意点などについて解説していきます。
不用品を処分する2つの方法
1.自治体の「粗大ゴミ収集サービス」を利用する
インターネットで「粗大ゴミ受付センター 〇〇市(お住いの市町村)」と検索すれば、「粗大ゴミ申込み方法」のページにリンクできます。
◆案内にしたがって申込みをする
最近ではパソコンやスマートフォンからアクセスして、24時間インターネットで申込みができる自治体がほとんどです。
申込みに必要な基本内容は下記の項目です。
① メールアドレス
② 申込者の氏名、住所
③ 粗大ゴミの種類と大きさ、数量
④ 戸建か集合住宅か
⑤ 収集日の選択
システムの案内にしたがって必要事項を入力します。
受付が終了すると指定のメールアドレスに受付完了メールが届きます。「受付番号」が記載されている場合は忘れないように記録してください。
パソコン操作やインターネットが苦手な方は、電話での申し込みも可能です。電話の場合は24時間対応していませんので、受付の曜日と時間を確認してから電話しましょう。季節や曜日によっては電話が繋がりにくいことがありますので注意してください。
◆「粗大ゴミ処理券」を購入する
申込みが完了したら、粗大ゴミを処理するための手数料分の「処理券」を購入する必要があります。自治体によって処理券の名称と金額の種類が異なります。処理券はコンビニエンスストアなどで手軽に購入できます。取扱店は自治体のホームページで確認しましょう。
◆粗大ゴミに「処理券」を貼る
申込み完了メール、もしくは電話受付の際に記録した「受付番号」を処理券に記入したのち、粗大ゴミに貼り付けます。
◆指定日時に粗大ゴミを出す
受付時に確定した指定日時に、廃棄物を回収置き場に出します。戸建か集合住宅によって置き場が異なりますので、申込み時に確定した場所に出しましょう。それ以外の場所に置いた場合は回収されずに残されることになります。
集合住宅の場合は、室内から粗大ゴミ置き場まで運んでください。廃棄物のサイズや重さによっては、台車を使うなどして運ぶ必要があります。
▼収集出来ないモノ
家電リサイクル法に基づき、対象品目の収集・運搬を行わない自治体があります。対象となる廃家電は下記の4品目です。
① エアコン
② テレビ
③ 冷蔵庫・冷凍庫
④ 洗濯機・乾燥器
その他、蛍光灯・リサイクル可能な古紙・危険物処理が困難なモノ・建築廃材やコンクリート・危険物や処理が困難なモノなど、「粗大ゴミ収集」の対象外となるモノを確認しましょう。
地域によって異なりますので、詳しくは自治体のホームページを必ず確認してください。
2.不用品回収業者に依頼する
自治体のサービスを利用すれば、手数料分の処理券を購入するだけなので費用を節約することができます。ただし、「回収置き場」に運ぶ必要がありますし、回収日が平日の朝が多いため、出社のタイミングが合わないなどのデメリットがあります。
こんな時に助かるのが不用品回収業者です。
◆不用品回収業者に依頼する時の流れ
ここで、回収業者に依頼する際の一般的な流れを簡単にご紹介します。
① 不用品回収業者を選ぶ
② 電話かメールで相談する
③ 希望の日時に訪問見積りをしてもらう(※「見積り無料」としている業者が一般的)
④ 見積りに同意したら依頼する
⑤ 当日スタッフが回収
事前に準備などは不要ですし、スタッフが室内から屋外へと運び出してくれます。重たい廃棄物を台車に乗せて運ぶ必要はありません。
不用品回収業者にまつわるトラブルが多発!
近年では不用品回収業者の需要とともに、業者にまつわるトラブルが多発しています。主な事例をご紹介しましょう。
1.料金請求
事前に説明されなかった費用を上乗せされたり、作業が終わった後に追加料金を請求されるなど多くのトラブルが発生しているようです。
見積りに納得して依頼したはずなのに、当日になって多額な費用を請求されるケースもあります。
2.不法投棄
回収後に不法投棄して立ち去る悪質業者の事例が報告されています。不法投棄とは、廃棄物処理法で定められた場所以外に廃棄物を投棄する行為のこと。廃棄物処理法に違反する犯罪行為に当たります。
回収業者による悪質行為であることを証明できなければ、依頼主に責任が問われることになります。
3.無許可の回収業者
「不用品を回収します」、と町中を巡回している人にビデオデッキの回収を依頼すると、不当なリサイクル料金を請求された……という事例が報告されています。
ビデオデッキは家電リサイクル法対象外の品目なので、リサイクル料が発生することはありません。おそらく無許可の廃棄物回収業者が近所を巡回していたところへ、依頼主がビデオデッキの回収を依頼した、というケースだと思われます。
無許可の不用品回収業者に注意!
家庭内から出るゴミ(一般廃棄物)を収集・運搬・処分するには、お住いの市町村から「一般廃棄物処理業の許可」が必要です。「古物商許可」「産業廃棄物収集運搬許可」では、家庭内から出る廃棄物の回収は違反行為に当たります。
業者に依頼する場合は、「一般廃棄物処理業の許可」を持つ不用品回収業者を選びましょう。
信頼できる不用品回収業者を選ぶ
不用品回収にまつわる料金トラブルが発生しやすいのは、費用の内訳が分かりにくい料金体系が一つの理由といえます。業者によって料金体系が異なりますし、費用が安いからといって依頼するのは危険です。
見積りの際に回収にかかる費用の内訳が明確かどうかをチェックしましょう。素人目には分からないので、不明点は必ずその場で確認することが重要です。
次に、なるべく多くの業者から見積りを取ることをおすすめします。少々、時間と手間がかかりますが、サービス内容の質と料金が比較できます。
また、複数の見積りを取ることによって相場が分かれば、他社を引き合いにして値引き交渉がしやすくなるメリットがあります。
見積りをとる業者の数が多いほど、信頼できる業者を選ぶ目が養われるといえそうです。